玉電デハ60形の製作(その10)
JAMが終り、そのあと少々仕事が立て込んでいましたが、10月に入ってやっと一区切りついたので、玉電の製作を再開しています。JAMの前から取りかかっていたのはパンタグラフ、これは電車である以上、絶対に省略できません。
デハ60形のパンタはこんな形です。写真は荻原俊夫様からご提供いただきました。70形や80形のPT52とは異なり、下枠は2本、台枠の形も違っています。いずれにせよ、自作しないといけません。パンタの自作は数十年前に一度やったことがあります。上枠を曲げる治具を作ったにも関わらず、畳むと微妙に捻れてしまったので、それ以来、なんとなくパンタの自作は敬遠していました。ところが、最近の原鉄模型スクールでK村師匠が自作を指導したところ、なんと金属工作は素人に近い生徒さん3人が、そこそこ形になったものを作り上げてしまったのです。これは正直驚きました。と同時に、講師としてはそれ以上のものを作らなければいかんというプレッシャーも重くのしかかってきたのです。
*K村師匠のパンタ自作ガイドは、はぐるまやのホームページ(はぐろぐ)に掲載されています。
台枠はこんな形になります。
半端の真鍮板から組立て台を作りました。ここまでは8月中に進行、9月になってからは細かいパーツを作っていました。
関節金具を取付けた下枠、上昇用バネ受け、イコライザー受けを嵌込んだ主軸。関節金具、受けともなかなかイメージが掴めず、一度作り直しています。
あまり難しく考えず、工作を進めます。簡単なスペーサーを挟み、下枠の幅を決めました。
右はシュー取付け金具を通した上枠。集電シューはかなり厚みがあるので、1mm厚を2mm幅に切出し、摺板部分を残して0.7mmくらいに削り、さらに両端を少しずつ薄くしました。
上枠を曲げて下枠に嵌込んでみました。まぁまぁよさそうです。畳んだ時、上枠が捻れず水平になるよう、長さ(曲げの位置)を少しずつ調整します。OKとなったらタスキをハンダ付け。横棒は関節に近いので、これに熱が回らないよう、低温ハンダで付けました。
左右の台枠を固定する横梁。K村師匠の作例は縦横3分割ですが、ハンダ付けでバラけないよう一体化しました。これも寸法を間違えたりして三度目の正直です。左右は1mm強折曲げ、アングル状にしています。
横梁をハンダ付け。上昇用バネは0.4mmの燐青銅線を2mmのパイプに巻付けて自作。出来合いの細いバネよりだいぶ実感的だと自画自賛しています。
車体に乗せてみます。大きさはこんなもんでしょう。
いろいろな角度から眺め、一人でニンマリしています。
イコライザーも取付けました。本物も路面電車用のパンタはバネとイコライザーが1本ずつです。
折り畳んでもまぁ見苦しくない範囲に収まりました。一晩おいて明日またじっくり眺め、問題がなければ折り畳み用フックを取付けて完成です。
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