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2018年12月 6日 (木)

アルペンルートの無軌条電車

 去る11月30日限りで立山黒部アルペンルートの無軌条電車(トロリーバス、以下 トロバス)が廃止となりました。トロバスの運転区間は扇沢~黒部ダム間6.1km、1964(昭和39)年8月1日から営業運転を行っています。最後まで在籍した300形(301~315)は1993(平成5)年にデビューしていて、その年の5月12日に行われた報道公開に私も参加しました。

Pc065512_2扇沢駅。真ん中に止まっているのはアルピコ交通のバスで、赤矢印の所にトロバスが走っているのが見えています。

Pc065517トロバスの乗り場に停車している300形。後ろに見えているのが在来の100形か200形です。

Pc065534バスは出入り口のある方が公式側になるのでしょう。中ドアが外吊り式なのは100形以来の伝統です。

Pc065541公式側の後ろから。屋根に上るためのステップがあります。これは撮影用に広場の真ん中に移動したもので、少しの距離なら架線のないところでも内蔵のバッテリーで走れます。

Pc065525車内は前向きのクロスシート。

Pc065520運転席。メーターが電車っぽいし、ブレーキも空制なので、右端に圧力計があります。

Pc065521運転席の右側は普通のバスとほぼ同じ。

Pc065523足下。電動だからクラッチペダルはありません。

Pc065522床のモーター点検蓋を開けたところ。東芝製の三相誘導モーターで、形式SEA-335、出力120kWです。

Pc065515機器配置図。

Pc065526この玉っころは車体に溜まった静電気を除去するためのアースで、ドアが開くのに連動して地面に触れるようになっています。

Pc065538車体後部にはVVVFインバータ装置が収まっています。

Pc065514点検扉は尾灯部分まで開きます。

Pc065540トロリーポールの取付け部。

Pc065537先端部は逆光でシルエットにしか写りません。この時代、日本ではトロリーポールを作っているメーカーがなく、アメリカからの輸入ものだそうです。
 記録を辿ってみると、最初の3両(301~303)は1993年5月18日なので、写真撮影時にはまだ竣工していないことになります。続いて304~306が5月25日に竣工。以後、1994年4月、1995年4月、1996年4月に3両ずつ増備され、在来の100形10両、200形5両を置き換えました。製造所は電気関係を担当する東芝が主契約者で、車体は大阪車輌工業、走行部分は三菱ふそうの3社合作となります。

Pc065524ついでに在来車も撮っておきました。これはクロスシートの100形。200形は見た目が同じでロングシートです。

Pc065529後ろも前面と同じような顔つきです。

Pc065530ここは辛うじて停車場外になるかな。車内がロングシートのように見えるので200形でしょう。

Pc065543この時撮影した写真は私鉄車両編成表'94年版の表4にも使いました。

 最後に、トロバスの廃止で使えなくなるネタをひとつ。トロバスを運行しているのは関西電力なので、電気も自前で安くすむんだろう、というのは素人考え。配電事業は縄張りがきっちり決まっているので、地元の中部電力から電気を買っていたそうです。

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コメント

電気バスに変わるんですか! ついに1回も乗れなかった、哀号。
電気バスについて・・・電気自動車に乗っているものとして一言。
登りはみるみるバッテリー残量が減りドキドキしますが、
降りで逆に回生できニタニタしそうですね。

シグ鉄さま、
トロバスは確実性を重視して発電ブレーキでしたが、電気バスなら回生ブレーキで発生した電気を自車のバッテリーに蓄電できます。力行は電流値のリミッターをつけないと、どんどん電気食ってしまいますね。

トロバスのポール先端は溝つきシューが付いた円板が水平方向に回転して、架線との偏移に対応しています。香港のトラムも同じ構造になっていますね。

Cedarさま、
東京のトロバスのポールは、1本にバネが4本付いていました。それに比べるとかなりスリムだし、長さも少し短いような気もします。

導入当時の詳細なレポート、興味深い内容です。
ハンドルに三菱マークがあるので、てっきり製造者は三菱電機かと思いましたが3社合作だったのですね。
遂に一度も乗らず仕舞いでしたが、VVVFの力行音、制動音を聞いてみたかったなぁ。

OER3001さま、
戦後、東芝がトロリーバス用の小型モーターをベースにして、鉄道車両の直角カルダン方式を開発しました。電機品は日立、三菱、東洋なども参入しましたが、最終的に東芝だけになったようです。

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