« ご近所の桜 | トップページ | 麺房八角 »

2018年4月 4日 (水)

ここに注目、小田急ダイヤ改正

 3月17日から新ダイヤになった小田急。その骨子はすでにいやというほど報道されているので、私なりに「おっ、これは」と思うところを紹介します。

P3232339新宿の発車案内。今まではデータイム1時間に快速急行6本、急行3本でしたが、快速急行6本(小田原行き、藤沢行き各3本)は変わらず、急行が小田原行き、唐木田行き各3本の計6本になりました。なお、土休日は藤沢行きの快速急行が片瀬江ノ島まで延長されます。
 これにより新宿発の列車は(データイム、1時間あたり、以下同じ)特急3本、快速急行6本、急行6本、各停6本の計21本となります。単純計算では急行が3本増えたことになります。

P3232343代々木上原の発車案内。地下鉄千代田線直通列車は多摩線に入る急行から向ヶ丘遊園止まりの準急に変更されました。1時間あたり3本は変わらず。さらに準急は千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵、狛江が停車駅に追加されています。これも土休日はさらに3本増えて6本、向ヶ丘遊園行きと成城学園前行きがほぼ交互になります。
 この準急3本が複々線完成による増発分と考えられ、代々木上原~向ヶ丘遊園間での列車本数は24本、土休日の代々木上原~成城学園前間は27本となります。

P3232347準急は千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵、狛江に停車するため、緩行線を走ります。これによりシグ鉄さんが心配していた新宿発各停と千代田線直通列車の交差支障は発生しません。複々線区間の本数は急行線15本、緩行線9本。

P3232356下北沢各停ホームに停車中の向ヶ丘遊園行き準急。

P3282439車内の停車駅案内。

P3232364梅ヶ丘を通過する上り準急。平日朝の千代田線直通準急は通勤準急となり、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵、狛江は通過。つまり、従来の準急が通勤準急に改称されたと考えればよいでしょう。
 もうひとつ、朝ラッシュに復活した通勤急行は登戸を通過します。その昔は成城学園前(上りのみ)と登戸にも停車するのが通勤急行だっのだから、変われば変わるものです。

P3282440準急は上下とも途中で快速急行に追い抜かれます。私が乗った下りは祖師ヶ谷大蔵の直前で抜かれました。この時は少しダイヤが乱れていて、定時では成城学園前で抜かれるようです。上りは成城学園前~祖師ヶ谷大蔵間で抜かれました。

P3292532緩行線を走った下り準急は、登戸2番線に到着します。これは先行の各停に接近するための措置でしょう。ただし、向ヶ丘遊園でもその各停には接続しません。

P3292512快速急行は新たに停車駅となった登戸で各停に接続します(上下とも)。先着する下り各停の左に快速急行が見えています。

P32323682番線に停車する快速急行(左)と1番線に停車する各停。

P3292540上りは3本の快速急行(02・22・42分)が各停と同時発車(時刻表での同発)になります。ドア確認のタイミングなどで、なかなか揃いません。

P3292526同じく登戸の上り発車案内。上段の急行と次の準急の発車番線に注目してください。急行が4番線(緩行線)、準急が3番線(急行線)でいいのかい。

P3292528登戸15・35・55分発の急行は、向ヶ丘遊園からの一駅間だけ緩行線を走ります。これは上り準急の入換え作業に関連しているようです。

P3292529急行線を走って登戸に到着する準急。

P3292535発車後、緩行線から急行線に転線する急行。

P3292538急行線から緩行線に転線する準急。

P3282441新設された唐木田行き急行は、新百合ヶ丘の3番線に到着します。多摩線各停への乗り継ぎの便を図るためとされていますが…。

P3282443実際にはすぐ後を追ってくる特急の進路を開けるためです。1番線には本厚木行き各停が止まっているので、これへの乗継ぎは可能です。

P3292514登戸でのアクシデント。準急が狛江でのドア点検とかで遅れ、次の唐木田行き急行が信号待ちをくらっています。さらに数分後には、新百合ヶ丘でやりすごす特急も停車を余儀なくされました。

P32925157・8分待ち、やっと急行を先に通すことに。急行は登戸、向ヶ丘遊園と止まるので、特急はまだ発車できません。

P3292517遅れた準急が見えてきた頃、特急も注意信号で走り出しました。

P3292518急行線に後続列車が詰まっているので、準急は空いている1番線に入れます。

P3292521準急が1番線に止まっているので、後続の各停は2番線に入れます。

P32925231番線に準急、2番線に各停の並び。ここでは本厚木まで行く各停を先発させました。この時点で準急に乗っている人はいません。もう実質的に回送列車です。データイムでも数分立ち往生すれば、こういう事態が発生する可能性があるわけで、ここらが新ダイヤの弱点といえるかも知れません。

« ご近所の桜 | トップページ | 麺房八角 »

1/1 私鉄」カテゴリの記事

コメント

沿線住民でもここまでの観察調査はしていないのに・・・
素晴らしい取材ですね。
多摩線住民としては、スピードアップが実感できて喜んでいます。

新ダイヤの恩恵=妻の墓に行くときに千歳船橋から経堂まで今までの倍の列車本数(墓に行くのは休日なので)になったことです、各停10分おきは世田谷区民冷遇でしたから。レポート拝見するとなかなか融通無碍な使い方なんですね、我が家のそばのヘタレな複々線(単なる2路線併走でしかない)より有効活用されてますね。

OER3001さま、
通勤急行と通勤準急を押さえたいところですが、朝はいろいろと制約があるので、チャンスを狙っています。唐木田急行、昼間は8連でもよさそうですね。

Cedarさま、
準急を緩行線走行にしたのは、急行線と緩行線のバランスを取る意味もあるようです。しかし、このおかげで各停をこれ以上増やすのは無理そう。苦しい選択です。

超過密ダイヤのギリギリ捌き、小田急の戦いぶりが良くわかる素晴らしいレポートです。
・ 登戸多摩川サイド、下りは通常の渡り線なのに、上りにシーサスクロスを配した理由
・ 向ケ丘遊園引上げ線、下りはY字だが上りはシーサスクロスなので、内外同時入線が  可能
なぜ、この様にしたのか疑問に思っていたことが全て理解できました。

シグ鉄さま、
急行線は昼間でも4分に1本走っていますから、ちょっとつっかかればすぐ団子になります。土休日の成城学園前折返しはこれから確認します。

私が今回思ったのは、「スーパーはこね」のスジを寝かさないために、海老名で急行が5分以上待避待ちするなど、「スーパーはこね」がかつての京急ハイキング特急のような扱いになってるな、ということでした。
実際に、上原までの制限区間や、四十八瀬あたりの制限を考えると、小田原まで59分運転は、途中にほぼ支障がないと難しいタイムですね。
同じGSEを使った夕方の「はこね」は、小田原まで20分も余計にかかるのですから、如何に快走してるかがわかります。
ちなみに改正初日はセレモニーで発車が1分以上遅れたようですが、小田原には早着してしまったらしいですから、ちゃんと余裕はとってあるようです。

すばらしい調査に脱帽です。

でも、快速急行は登戸には止まるし、急行との接続待ちはするし、急行は快速急行に抜かれるし、本当に早くなったのでしょうか?江ノ島線の普通はほとんど大野止まりになるし、町田に行くのに不便になりました。

確かに各列車とも混雑度は改善されたみたいです。

一利用者のボヤキです。

赤影さま、
59分で走る「スーパーはこね」は土休日だけなんですね。特急が速く走れないのは、相模大野以西の列車密度が高くなったせいではないでしょうか。SE、NSEが62分で走った頃の本厚木から先は、急行と普通が30分に1本ずつだったから、特急は走り放題だったわけです。

ぼっちぼちさま、
新宿口は快速急行と急行がきれいに並んでいますが、そのしわ寄せが新百合ヶ丘以西に及んでいるわけですね。今回は小手調べ。次の改正に期待しましょう。

この記事を拝見させてもらっていますが、やはり長年の運用フアンから見ても小田原方の終端部の処理が悪い様に感じます。基本線増した線路の終端部には必ず、収容線を作らなけれならないと以前から他でもお話をしておりますが、此の線路は事故等の運用がしずらいと感じます。

緩行電車さま、
向ヶ丘遊園に折返し線がありますが、登戸から下りは1線になってしまうのが弱点です。データイムならダイヤが乱れた時に準急は成城学園前で打切り、でよさそうです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ここに注目、小田急ダイヤ改正:

« ご近所の桜 | トップページ | 麺房八角 »

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
フォト
無料ブログはココログ