関西合運前日の寄り道(その2)
えち鉄で福井に戻り、市役所前まで歩いて、9:51発の鷲塚針原(わしづかはりばら)行き急行を待ちます。急行といってもここから先は各駅に止まるので、実質的には普通です。
車両は朝一番に対面したフクラムの第1編成(オレンジ)でした。ラッシュを過ぎているので、乗客は3車体合わせても10人以下です。路面区間は線路改修工事が行われていて、土休日はバス代行になることがあるらしい。1日乗車券は土休日限定だけど、平日に来て正解でした。
田原町の手前で鷲塚針原発1番の急行と擦違い。えち鉄車はだいぶおとなしい顔付きです。
田原町で運転士も交代。乗客は私だけになりました。これはホームに停車中のところで、窓の下辺がちょうどホームと同じ高さです。鉄道線に入るとスピードも60km/hを越えるくらいになりますが、単車特有の横揺れや首振り(ヨーイング)はほとんどなく、乗り心地は広電のグリーンムーバーをはるかに上回っていると感じました。
各駅は低床車用のホームを増設。交換駅の新田塚は前後に延ばせないので、独立したホームとしています。九頭龍川を渡った所の中角はホームを作れなかったのか通過となります。
鷲塚針原に到着。ここまで私一人の貸切でした。手前の構内踏切を渡った左に駅舎があります。ここが乗入れの終点になったのは、折返し用の専用ホームを作る用地があったから、なのでしょう。
こぢんまりとした駅舎。駅員はいません。正面の柱に古レールを使っているのが珍しい。周りに店はなく、人通りもほとんどありません。
駅舎は登録有形文化財になっています。
折返し時間が40分もあるので、ゆっくりと形式写真が撮れます。
その間に運転士さんは駅のトイレと車内の掃除をしていました。終わってから車内も撮影します。車端の一部を除いてクロスシート。車体幅が2600mmと広いので、2人掛けもそんなに窮屈さは感じません。
運転台。左のレバーがワンハンドルマスコン。エアレス方式なのでパネルに圧力計はない。
鉄道友の会のローレル賞を受賞しています。
えち鉄の7001形も、そこそこの形式写真が撮れました。
福井行きは6101形の単行。福鉄からの乗入れ車は上下ともえち鉄車の10分後を走るスジです。掃除道具を持っているのが運転士さんで、定年後のアルバイト。月のほぼ半分、乗入れ車だけに乗務しているそうです。
発車は10:49。えち鉄線内でも数人の乗客がありました。そのまま福鉄線に戻り、足羽山公園口で下車。赤十字前まで歩きます。写真は路面から専用軌道に入ったところ。電停は木田四つ辻から商工会議所前に改称されていました。この付近にあるはずの鉄軌道分界点を示す標識を撮ろうと思ったのですが、今回は見つかりませんでした。
赤十字前。ここから先は単線になります。ホームは嵩下げされ、柱の基礎部分で元のホーム高さがわかります。
福井寄りには保線用車両が留置されています。
2006年には140形とデキ10形がいました。140形は定期運用が終わり廃車待ちです。
途中で交換風景を撮ろうと思ったのですが、神明、西鯖江とも条件が悪いのでパス。頑張ってサンドーム西~家久間の有名な鉄橋まで歩いてみました。家久から15分弱で到着。単線のガーダー橋で、名鉄揖斐線の旦ノ島~尻毛間とよく似たロケーションです。
川は日野川。車両は880形。ちょうどこのあたりが鯖江市と越前市の境目になります。
えち鉄のキーボが来ました。
770形。どの列車も1編成に数人しか乗っていません。この次に急行、普通とフクラムが2本続くはずですが、雨が降ってきたので撤収します。
ローカルな造りの家久駅。建物は割と最近に改修されたらしい。
ホームが低くなった分だけ、屋根の高いのが目立つ。これではほとんど雨除けになりません。
一旦、越前武生まで行ったものの、雨が小止みになったし、時間はまだあるので、車庫のある北府(きたご)まで歩いて戻ります。この駅舎も改修されているけど、家久とは駅名標の書体が違うし、鉄道名が入っていません。
駅舎の中は資料館になっています。
写真の左側に610形(元名古屋市営地下鉄)が野晒しになっていました。
車庫建屋の脇には203-1・2、デキ10形、600形、デキ1形と並んでいます。200形は休止中の貼り紙がありますが、このまま廃車でしょう。
200形の手前にいる800形も休止中。もう1両は越前武生に留置されていました。
2006年の北府(当時は西武生)。一番下のモ560形は試験的に路面区間で使用し、名鉄に返還するためトレーラーに積込む準備ができていました。
次の電車で越前武生に戻ります。ちょうどフクラムが2本並びました。普通は20分、急行は30分くらいの折返し時間があり、この間に車体を清掃したりしています。
越前武生駅。元は武生新でしたが、武生市がとなりの町と合併して越前市となっても武生という名前を残しています。これで福鉄とはお別れ、武生から521系で敦賀、そこから223系の新快速に乗換えて大阪に向かいました。
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久しくご無沙汰しているうちに・・・。随分楽しめそうなところになりましたね。行きたくなりました。
投稿: OER3001 | 2017年10月 4日 (水) 23時28分
進歩の影にいろいろと懐かしいものが消えていきますね。
福井新、武生新といった北陸らしい駅名が変わってるし、200形はおろか800形まで休車とは・・・・
投稿: Cedar | 2017年10月 5日 (木) 00時45分
OER3001さま、
土休日限定で1日乗車券(550円)が発売されています。しかし、土休日は田原町~越前武生間の急行が運休になるので、撮影チャンスが3/4になります。
Cedarさま、
えち鉄にはまだ越前開発(えちぜんかいほつ)なんていう駅名が残っています。800形はあまり活用されなかったですね。昼間は全線通しでも単行で十分なくらいですが。
投稿: モハメイドペーパー | 2017年10月 5日 (木) 10時13分
200や610の姿を見ると寂しいですが、LRT化によって生き残るためには仕方ないのでしょうね。あの梯子みたいなステップではお年寄りの乗降に無理がありましたから。
相互乗入れも必然手。過渡期なのかもしれませんが、ホーム都合で立派な鉄道車両が鈍行、路面電車が急行という逆転現象が少し可笑しいですね。
えちぜん鉄道もLRT化に追随するとなると、健気なアテンダント嬢たちはどうなってしまうのでしょうか。
投稿: シグ鉄 | 2017年10月 5日 (木) 10時15分
シグ鉄さま、
乗入れで一番恩恵を受けているのは福井大学の学生と関係者でしょう。今以上に乗入れ区間を拡大しても需要は知れたもの。従ってえち鉄のLRV化はないと思います。
フクラムも4本あり、昼間は巨体を持て余しています。さらに増備するなら2車体で十分でしょう。しかし、路面電車といっても1編成で2億円以上するし、ボンバルディアのシステムはもう本家で製造打切りなので、今後の部品供給などに問題ありです。
投稿: モハメイドペーパー | 2017年10月 5日 (木) 16時23分