鉄道強要講座(袖仕切り・その2)
来週から原鉄道模型博物館で春のOゲージ展が始まるし、その前に原稿を2本片付けなければいけないので、ブログは暫し放置状態になっていました。原稿はなんとか見通しがついたので、もうてっきり終わっていると思われている鉄道強要講座を再開します。袖仕切り、その2は主に関西の私鉄を見てみましょう。
関西の私鉄は立ち客との干渉を避けるというより、座っている人の肘掛け的な要素が強いようです。混雑度の違いもあるのかも知れません。これは阪急3000系。扉の脇に立たれたら、ケツが顔を直撃します。
阪急5000系リニューアル車。7000系からこのデザインになっています。
同じく阪急9300系。かなり複雑な構造になっています。
その阪急も1000・1300系ではこうなりました。表面を木目調にして、なんとか阪急の体面を保っています。
南海6000系も肘掛けのようなデザインです。
2000系では立ち客との干渉にもいくらか配慮した形態に。9000系も同様です。
京阪はかなり複雑な形です。写真は5000系ですが、このデザインは2000系から始まっています。
だいぶ今風になった10000系。しかし、この色使いは京阪ならではです。
阪神は実用本位のパイプ構造だったのですが、最近はだいぶ様変わりしています。これは8000系リニューアル車。下の隙間はなにを意味しているのだろうか。
機能的にはこれでいいのだろうけど、もうちょっと色気が欲しい1000系。
一気にブッ飛んだデザインになった5700系。これなら立ち客とは完全に遮断されます。
山陽3000系はシンプルイズベスト、なのか。横棒の位置が低いけど、肘を乗せるにはちょうどよいのかも。
神鉄3000系。1000系からのデザインです。
シグ鉄さまの強い要望により、1100系を追加しました。
2000系は阪急7000系のそっくりさん。1500系からこうなりました。
神戸市営地下鉄3000系。えぐれた部分が肘掛けの役目になるのでしょう。
関西の私鉄といいながら近鉄がありません。代わりに元近鉄820系でお茶を濁しておきます。しかし、基本的に丸っこい車体の4扉車はこのデザインです。
*次の番外遍で終わる見込み。
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南海2000、近鉄元820と来るのなら神鉄も2扉車を出して欲しかった。
と、たまにはモハメイドペーパー師に生意気言ってみる。
投稿: シグ鉄 | 2017年3月10日 (金) 22時23分
基本的には都市圏人口の違いからなのか、関西は立ち客の利便を追及していないと思います。立ち客にとっては身体を安定させるための設備が貧弱。
また、座客でも高齢化で立ち上げる時に便利な縦パイプ。
腰を痛めたときなど、掴まってよっこらしょっと立ち上がるのには縦パイプはありがたい存在です。
投稿: OER3001 | 2017年3月10日 (金) 23時19分
シグ鉄さま、
別に出し惜しみしてるわけじゃないんで、1100系も追加しておきました。
OER3001さま、
袖仕切りに限らず、関東と関西の違いはいろいろあります。高齢者対策は最近の近鉄が、かなり気を遣っているように感じられます。
投稿: モハメイドペーパー | 2017年3月11日 (土) 10時05分
毎度ながらすばらしい考察!
関西では、むかしドア脇に立つとき、袖仕切りにぴったりケツをくっつけませんでした。
端に座っている客との干渉はドア脇に立つ人が調整。ドア脇の縦ニギリ棒にケツを沿わすという感じ。まあ、空いてるから可能なのかもですが。
だから安心して端に座ることができた。
東京は袖仕切りを立ち客のケツ台にしますから、当然、端に座ると立ち客のケツのによいを嗅ぐことに成増。ヒドいヤツはリュックを背負ったまま(糞爆)。
そりゃ袖仕切りがどんどん増長しますわな。
コレって、どうもホームドアなる過剰設備と同じ構造の問題のような気もします。
あれこれ、一長一短。
しかし、阪神5700jはこんなトコのデザインも秀逸ですね。奇抜ではありますが、機能と形状が合ってると思います。
投稿: 肘犬腰犬 | 2017年3月11日 (土) 10時29分
肘犬腰犬さま、
関西に限らず、昔は暗黙の了解という大人のたしなみがあったのですが、最近はいちいち「ここはこーせぇ」「これはやったらあかん」とか表示しないと通じないようです。もうちょっと気い効かせてくれないかな、というのは年寄りの愚痴かな。
投稿: モハメイドペーパー | 2017年3月11日 (土) 12時12分
東京の電車、この部分の処理はイマイチですね。営団6000が衝立みたいな仕切りつけてデビューしましたが、垂直だったので端に座ると肩が痛かったし、座席も狭く感じました。
投稿: Cedar | 2017年3月11日 (土) 17時34分
Cedarさま、
なかなかこれという決定版は出てきませんね。東京メトロもまだ試行錯誤の最中、3回目はそのあたりを追求します。
投稿: モハメイドペーパー | 2017年3月11日 (土) 19時38分
わー阪急やー から順に見て行って「古〜」と思ったのがわがサンヨーでした(笑)
肘の置き加減はいいのですが・・・
投稿: 青春M | 2017年3月12日 (日) 11時09分
青春Mさま、
サンヨーは神戸高速が開業した時代の電車だから、今から見れば古いのは当たり前。それいうと阪急3000とか南海6000はもっと古いですが。
投稿: モハメイドペーパー | 2017年3月12日 (日) 12時10分
通りすがりの関西人でございます。
京阪10000系の袖仕切りは板+パイプの平成らしい仕様で、京阪電鉄で首都圏のような硬く味気の無い樹脂板タイプの袖仕切りを採用し始めたのは京阪13000系・京阪6000系リニューアル車以降のことになります。
京阪電車で特筆すべきなのは特急車両の8000系で、袖仕切りの外側にまでクッションモケットがあり、車いすスペースのクッションモケットも併せ、立ち客にもなるべく快適性をもたせようとする工夫を感じます。
決して関西は立ち客を軽んじた設計思想だとは思いませんね。
個人的なチョイスですと阪神5700・JR323系の袖仕切りは、機能性とデザインの面でこれ以上ない傑作だと思っております。
投稿: Jatwo | 2024年9月27日 (金) 22時13分
通りすがりの関西人さま、
肘掛けみたいな仕切りは、まだラッシュの混雑がそんなに激しくなかった時代の名残なのでしょう。京阪の8000はいろいろな意味で特別な車両だと思います。
投稿: モハメイドペーパー | 2024年9月30日 (月) 10時11分