« 西武鉄道安比奈線を歩く(その1) | トップページ | 横浜にこんなものが »

2017年1月16日 (月)

西武鉄道安比奈線を歩く(その2)

 いよいよ核心に迫ります。

P1133730場所を特定しやすいよう、地図はもう一度載せておきます。線路は入間川の右岸に達し、終点付近の地名が安比奈新田。線名はこれに由来します。ただし、地名は「あいな」、線名は「あひな」です。

Pc213492G地点は雑木林の入り口。落ち葉に覆われていますが、線路は矢印の方向に伸びています。

Pc213495半世紀の間に樹木が生長し、建築限界をオーバーしています。

Pc213498H地点。池部用水橋という10mくらいのガーダー橋で、下の用水は干上がっています。2009年にこのあたりがNHKのドラマ「つばさ」のロケに使われ、木製の手摺りはその時に取り付けられたとのこと。レール部分にはゴムシートも敷かれていますが、下の枕木が朽ちているので、不用意に歩くと踏み抜く恐れがあります。2009年以前のレポートを見ると、用水はかなり汚い水が溜まっていたようです。

Pc213501だいぶ入間川に近づいてきました。レールはこの先で緩く左にカーブして、八瀬大橋に突き当たります。

Pc213502入間川を渡る八瀬大橋。

Pc213504I地点は橋の上、厳密には取付道路の部分になり、線路はここで切れています。橋ができた当時はまだ線路はつながっていて、取付道路の位置変更により、どーせ使っていないんだからと、邪魔になる部分が撤去されました。

Pc213506上と同じ位置からJ地点方向を見る。赤線のように線路が続いているのが確認できます。

Pc213507橋の途中からは河原に降りられないので、南側を大回りしました。このあたりは西武建材の用地らしく、時折ダンプカーが出入りしています。一応、立入り禁止の立て札はありますが、ダメモトで行ける所まで進んでみます。

Pc213508一見、線路跡みたいだけど、これは×。橋の向こうからの位置が合いません。

Pc213511さらに歩くこと数分で線路を発見。地図のK地点から八瀬大橋方向を見ています。

Pc213512橋の方に戻って、K地点とJ地点の中間。右側はモトクロスの練習場になっています。

Pc213513上の位置から振り向いてK地点方向を見る。前方を水道管の橋が横切っています。

Pc213540橋の袂のJ地点。線路を辿っていれば、橋の下をくぐってこちら側に来られたようです。

Pc213515Kの地点からL地点方向を見る。線路は真っ直ぐ竹藪に向かっています。

Pc213517L地点に近づきました。

Pc213520草に埋もれたポイントを発見。しかし、二股に分かれた先に大きな木が。50年あまりでこんなに成長するのだろうか。

Pc213523竹藪を迂回した先がM地点。幅の揃い架線柱が2基残っていました。このあたりから砂利積込みの線路が広がっていたのでしょう。記録によれば機関車はED14が入っていたそうです。

Pc213525その先にひとつだけ、コンクリートの橋台のようなものが残っていました。

Dscf4081この写真はネコ・パブリッシング発行のRM LIBRARY 30 所沢車輌工場ものがたり(上)から転載しました。採取した砂利は600mmゲージのトロッコで運び、ここで安比奈線の貨車に積み替えていました。橋台らしきものはおそらく写真の赤丸部分なのだと思われます。

Pc213526その先もまだ架線柱が残っていますが、草ぼうぼうで近づくのは無理。

Pc213529この付近は地面の凹凸が激しく、レールはほんの一部しか確認できません。

Pc213533再び藪が広がるN地点。架線柱が木に同化しています。この先にそれらしいものは見当たらないので、探索はここまでとします。南大塚から歩き始めて約1時間50分。線路のキロ程は3.2kmですが、迂回したり行きつ戻りつしたりでその倍近くは歩いているでしょう。

Pc213547その1で出し忘れた写真。架線柱のアップです。普通はアングル2本を合わせて柱を挟むようにするのですが、これはアングルが1本。簡素化の極地です。

Pc213541これから現地を歩いてみようと思う方へ。
1.履き物はスニーカー、トレッキングシューズなどに限る。革靴、サンダルなどは絶対に無理。
2.D地点から先、商店はおろか道端に飲み物の自販機すらありません。この時期でも最小限の飲み物は用意した方がよいでしょう。
3.八瀬大橋付近まで行ける路線バスはないようです。流しのタクシーもまず見つかりません。帰りも自分の足で歩くことを覚悟してください。
4.夏になると草が生い茂り、線路跡は非常に歩きにくくなります。行くなら春先までがよいでしょう。
5.八瀬大橋南の交差点角に写真の「武蔵野うどん」があります。私も帰りにここで腹ごしらえしました。味はまぁ及第点です。200円で天麩羅各種食べ放題というドリンクバーみたいなメニューがあるので、素うどん(400円)にこれの組合わせるのが一番賢い食べ方です。

« 西武鉄道安比奈線を歩く(その1) | トップページ | 横浜にこんなものが »

1/1 私鉄」カテゴリの記事

コメント

台湾やインドネシアのヘロヘロ線路みたいですね。
ここまで線路が残ってるのを見ると廃止じゃなく休止扱いがうなずけます。

凄い、参りました。帰りも入れたら10kmは超えているでしょう。
モハメイドペーパーさん、本当に70歳ですか!

D地点から先は沿線需要は見込まれないので、終点に団地かアウトレットでも造成しない限り使い道無さそうですが、バブルの頃ならともかく、このご時世では廃止にしたくても撤去費用が…

Cedarさま、
踏切部分のレールを撤去しないのも、あくまで休止ですという意思表示なのでしょう。

シグ鉄さま、
今月中に71歳になりますが…。運転免許を持っていないので、頼れるのは自分の足だけです。

糸目今日子さま、
D地点より先で出会った人は、5本の指で数えられるくらい。路線バスすらないのも頷けます。撤去も並行する道路がないので難航しそうです。

叢にポイントを発見した時は感動でしょうね。確かに往復10km、4時間は歩く覚悟が必要でしょう。お疲れさまでした。

ぼっちぼちさま、
線路屋じゃないから感動というほどのことはありません。これからまた戻るのかと考えたら、急に足が重くなりました。

モハメイドペーパーさま
永いお付き合い上、年齢は存じていますがこのレポートをなされるとは!!!
凄いご老人です、尊敬です。
しかし何がそんなに引き付けるのでしょう?
小生はとても一人で出掛けようとは思いませんね。

こんばんは
いやぁすんごいレポートです、埋もれた風景がなんとも言えませんね
お疲れ様でした

OER3001さま、
あっ、あそこなら俺行いったことある、と言えるささやかな優越感に浸りたいだけです。

青春Mさま、
ここのレポート、検索すればかなり出てきます。時間の経過で少しずつ変化しているのがわかりますね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 西武鉄道安比奈線を歩く(その2):

« 西武鉄道安比奈線を歩く(その1) | トップページ | 横浜にこんなものが »

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
フォト
無料ブログはココログ