こんな車両もありました
E331系はJR東日本の電車で一番短命だった形式と思われます(試験的な車両を除く)。2006年3月27日に落成して京葉車両センター(千ケヨ)に配属。2007年3月18日から京葉線で営業運転を開始しますが、いろいろとトラブルが発生して運転は中断。手直しをして2008年12月23日から運転再開となります。私が最初に出会ったのは2009年2月21日。東京から市川塩浜まで乗り、ここで折り返してくるのを待ちました。連接車なんで車体が短い以外は、E231系とほぼ同じ。まぁ、可もなし不可もなしの顔付きです。
連接部分は心皿を重ねる方式ではなく4点支持になっています。これは電動台車で、モーター軸と車軸を直結したダイレクトドライブ(緩衝装置があるので、完全な直結ではない)を採用しているのが、この形式の最大の特徴なのです。
連接車で車体が短いため、14両で20m車の10両分に相当します。各車体3扉なので、編成としての扉数は20m車より2個多い42箇所となります。
運転室の後は開閉可能な窓がありますが、座席はありません。
先頭車の前寄り1区画はロングシート~クロスシートの切替が可能。ロングシートの時は7人掛け、クロスになると合わせて8人掛けとなるカラクリは、なかなかよく考えられています。
窓下の羽目板が微妙に膨らんでいますが、これは3人掛けのロングシートを跳ね上げたもので、扉脇の2人掛け座席が90度回転してクロスシートになります。そして扉脇には羽目板に収納されていた座席がセットされるという仕組みです。スペースの制約から背摺り、腰掛け部分とも薄っぺらなので、座り後心地はあまりよくありません。
もう一度舞浜で待ちかまえ、編成全体を収めます。7両単位の2ユニットを連結した形で、16台車中の6台車がモーター付き。車体でいうと6M8Tになります。モーター出力200kWなので、編成出力2400kW。4M6TのE531系より少し大きめです。
在来車とは扉の位置が違うので、各駅のホームには専用の乗車位置目標が貼付けられました。
2度目の出会いは2010年4月24日。相変わらず土休日限定ながら、なんとか順調に走っているように見えました。
5日後の4月29日、113系を撮りに行く途中の蘇我でまた出会いました。
この時は車号を写しておきました。しかし、その後また具合が悪くなったのか、ひっそりと営業運転から外されてしまい、これが最後の撮影になりました。結局、鳴かず飛ばずで2014年3月25日に長野総合車両センターに回送され、同年4月2日付けで廃車になりました。
ダイレクトドライブはモハ103改造車で営業運転の実績を積んだし、連接台車もACトレインで一応の目処を付けたはずなのに、具体的にどこがどう駄目だっのかという正式な発表はないままでした。まぁ、形式や車号に9は付かなくても、実質的に試作車だったのは誰の目にも明らか。失敗を恐れてはいけないとはいえ、かなり高い授業料になったわけです。
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