鉄道強要講座(電車の前面を考える-4)
行事報告を優先させたので、またしつこく続けます。今回は変態変形2枚窓について考えてみましょう。名鉄5700系(5300系も同形態)です。フロントガラスが傾斜している点は湘南マスクと共通ですが、左右で大きさが違います。これは客席から前方がよく見えるようにと配慮したもので、前寄り1列目の座席は2.5人分の幅があり、「親子で楽しめる展望席」と称しています。
客室設備は7000系パノラマカーと同等で、これが旧型車置換えの本命かと期待されました。しかし、現実はこの頃から3扉車が勢力を拡大し、今や名鉄で2扉車は風前の灯火になっています。
なお、特に前面展望は謳っていませんが、叡電の800・810系もフロントガラスの大きさが非対称です。神鉄2000系(5000系も同形態)は左右等分、向かって左は下に拡大した部分に車号を入れているので、実質的にガラスの大きさ(前方が見通せる部分)は同じです。
ブラックフェイスの国鉄201系。向かって左の運行番号部分まで一体のガラスとしたのには、これといった必然性は考えられません。非対称によるアクセント的効果を狙ったのでしょう。
ガラス部分が増えた205系。しかし、窓として機能する部分の大きさは201系と変わりません。
JR西日本の205系1000番代。ちょっと見ると裏焼きみたいですが、名鉄5700系と同様に客室からの展望を重視して、助士席側のガラスを大きくしました。
このあたりまでは2枚窓といえるけど、以下は2分割といった方がよいでしょう。京急800形。シンメトリーで安定感があります。敢えてブラックフェイスにしなかったのも京急のポリシーなのか。
行き先、種別などの表示部分までガラスを拡大した京急2000形。行き先表示が中途半端に車体中心から外れているのは、どうも個人的には馴染めません。
西武鉄道701系の変形といえなくもない、伊豆箱根鉄道3000系。方向幕部分が逆傾斜になっているのは、乗客目線からは見やすいと思います。
同じ3000系でもステンレス車体になった後期車。左右非対称にはしたくないようです。
非対称2分割の静岡鉄道1000系。ガラスの上辺は直線ではなく、僅かにカーブしています。
小田急3000形もよく見れば2分割。だからどーなんだと開き直りたくなります。
*次回は非常口付きを考えてみます。
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103系あたりからですかね? 乗客は前を見るな、になったのは。
その流れで、不均等分割もほとんど運転手サイドが大きいものばかりですね。
その中にあって、名鉄5700(5300)、JRW205は偉い!
5700鈍行が来ると得したような気がして、つい乗ってしまうので時間を損してしまいます。
投稿: シグ鉄 | 2016年2月23日 (火) 10時30分
ATCの機器なんかでどうしても仕切りの窓部分が塞がれてしまうんですね。JRWでは最新の形式でも仕切りの窓は大きいです。ただし、225系はフロントガラスの下辺が上がっているので、子供には前が見にくくなっています。
投稿: モハメイドペーパー | 2016年2月23日 (火) 13時14分