初てっぱく
実は私、まだ「てっぱく」(鉄道博物館)は未体験でした。オープン当初は混むだろうし、なくなるものじゃないから急ぐ必要もなかろうと、のんびり構えていたのですが、そろそろ開館して10年。リニューアルの話しなんかも聞こえてくるので、やっと重い腰を持ち上げ、昨日(20日)、行って来ました。
大宮駅の改札を出て、ニューシャトルの乗り場に向かう通路は「てっぱく通り」になっていました。
ニューシャトル(埼玉新都市交通)で次の駅がてっぱくへの下車駅。1駅で190円は割高のようですが、歩けばたっぷり20分はかかるので、まぁ、乗った方が正解でしょう。
そのものずばりの駅名だけど、括弧書きの大成がもともとの駅名です。
てっぱくの入り口まではプロムナードとなっていて、いきなり車輪が並んでいます。左端の大きいのは、ドイツ01の動輪。
これはかって交博の1階に置かれていました。このすぐ脇には103系の台車(TR212)が揺れ枕や軸箱をバラした状態で展示されているので、模型ファンには参考になります。
やっと入り口に到着。スイカで入場できます。
入ってすぐ右にある展望車、マイテ39の車内。桃山式という様式だとか。これ以後の写真は原則ストロボなし、ISO800で撮っています。絞り開放で1/4くらいのシャッタースピードになっているのもありますが、手ぶれ補正のおかげで気になるほどのブレもなく、ホワイトバランスもまぁまぁです。
ナデ6110。これは最初に復元された時、大井工場で撮りました。館内の照明がスポット的で撮りにくいといわれていたけど、思ったより自然な感じに写っています。
車内。背摺りは板張りです。
運転台。なんとマスコンとブレーキ弁は左右に分かれています。阪神の小型車より幅が広いから、操作しにくそうです。マスコンはGE製でした。
開館時にだいぶ話題になったクモハ40の車内。私は子供の頃、地元の中央線でいやというほど見たり乗ったりしていたから、それほど珍しいという感じはしません。
室内灯を中央1列にしているのですが、車内スピーカーはそのまま。それにこの灯具は両側用を転用したようで、本来の1列用はもう一回り大型です。ドアだってプレスドアなんだから、中途半端にいじらず、廃車直前の状態でよかったと思います。
運転台。赤丸はブレーキの電磁弛め弁表示灯で、中央線の10連運転の名残です。写真には写っていませんが、左の隅柱に速度計があるはず。
コキフ10000の模型。縮尺は1/20かな。これは私が福島模型製作所でアルバイトをしている頃、交博に納入したものです。
本物のコキフの車掌室。ドアが開いている所がトイレです。
クモハ101-902の運転室仕切り。ガラスはHゴム止めではなく、アルミ縁で押さえています。枕木方向の蛍光灯が天井ではなく、仕切りの櫛桁部分に取付けられているのも、試作車だけの特徴です。
貫通ドアも原型で、ガラスが大きい。
ドア間の吊り手も試作車は8個で、量産車より2個少ない。
運転室扉、手摺りの形状も量産車とは違います。
ベンチレーターはグローブ型に取換えられましたが、なぜか63更新車と同じ古いタイプになっています。
12時になり、転車台の回転実演が始まりました。これは定位置。
だいぶ角度が変わってきました。
ほぼ半回転。正月なんで、いつもより多めに回しています、なんてことはありません。一回り約10分で、その間に3回、汽笛を鳴らします。
車両によっては下からも見られるようになっています。これは新幹線200系の台車。わざわざ下に降りて写真を撮っているのは私だけでした。
これも昔の交博でお馴染みだったED40の模型。サイズは1/5くらいでかなり大きめです。
本物のED40。以前は大宮工場の道路脇に展示されていました。
国電の始祖は松本電鉄で保管されていた当時のままの姿で、特に手を加えていません。これはこれでいいんじゃないかな。
台車の軸箱はブリルの純正品。ここはストロボを焚かないと写せません。
2階の鉄道歴史年表の端っこにあった63形3段窓のモックアップ。今の人は開け方わかるかな。よくできているけど、巻上げカーテンや鎧戸は省略されています。
野外展示の183系(モハは189系)はランチトレインとして休憩スペースになっています。私もここで昼飯にしました。
北側のパノラマデッキから見たミニ列車運転場。プラレールの親分みたいです。
屋上は風が冷たかったので、3階からガラス越しに撮りました。左の架線柱のある線路が大宮工場の試運転線で、この日も湘南色の115系3連がゆっくり走っていました。
思わず「おっ、これは!」と唸ったのが2階にあるコレクションギャラリー。初代鉄道博物館からの収蔵品がぎっしりと詰込まれています。
ク5000もコキフ10000と同じ頃、福島模型製作所で手がけたものです。一見、赤の単色のようですが、自動車のタイヤが乗る面はグレーなので、マスキングに苦労しました。
屋根が開閉できるワキ9000。同時期に作ったホキ2200は見当たりません。
私鉄電車も営団、近鉄、相鉄、京阪、小田急、東武、東急と揃っています。
さらにこんなものまで。この部屋は正に宝の山です。
これは3階だったかな。201系のDT46が鎮座しています。
こういうのは下からより上から見た方がよくわかります。モーターのうち赤い矢印部分は整流子、左のスリットがある部分は冷却ファンなので、電機子部分は全幅の半分くらいです。
てっぱくの展示方法にはだいぶ批判もあるようですが、一般向けとしてはこれでいいのかなと思います。御料車以外は触れる位置まで近づけるのだから、実際に寸法を当たることもできるし、模型製作に必要な写真も撮れます。なにがなんでも新製当初の姿に戻せとは思わないけれど、これこれの経緯があって、いつ頃の状態であるという表示は必要でしょう。
帰りは大宮まで歩いてみました。大宮工場の塀にはJR東日本の代表車種の写真パネルが展示されています。この生首は以前、工場内に展示されていました。もうひとつ、EF60のがあったのですが、無事だろうか。
歩道の柵にも新幹線をあしらった飾りがありました。こんなのを眺めていると、20分あまりの道のりも退屈しません。
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折角行かれたのに、シミュレーターは体験しなかったのですか!? もったいない。
それにしても、刻々と展示は変わっているようですね。
また行きたくなりました。
投稿: OER3001 | 2016年1月21日 (木) 22時42分
シミュレーターは何度か経験しているし、何人か並んでいたのでパスしました。
本物もだけど、かつて交博で穴のあくほど眺めた展示品が懐かしく感じます。
投稿: モハメイドペーパー | 2016年1月21日 (木) 23時18分
てっぱくの方がリニアより充実してますね。
ところで、ク5000が積んでいるのはセドリックでしょうか?
投稿: シグ鉄 | 2016年1月22日 (金) 10時11分
リニア館はこの夏にでも行こうと思っています。
ク5000の積荷、私は自動車にはあまり詳しくないのでわかりません。プラキットを組んで好きな色を塗れということで、私が手がけたのは3台くらいです。
投稿: モハメイドペーパー | 2016年1月22日 (金) 12時11分
遅ればせのコメントですが、この『てっぱく』私は1月の13日に行き、クハ181のボンネットの寸法をマグネットシートに貼付けたビニールメジャーを当てて寸法を当たっていたら、学芸員と言う姐さんが来て、展示物が痛むと言って止めるように言ってきました。『ビニールメジャーだから痛まない』と説明しても『止めてください』の一点張り、しまいには学芸員のお兄さんまで現れ、『模型を作られるんでしたら、資料室で資料をご覧ください』と言われ、『ここの寸法、教えて下さい』と返すと『判りません』との返事。
必要部分はすべて採寸してきましたけど。
何のために展示してるんじゃ!
めげずに、来る2月11日再訪して、今度はホームセンターでもらった紙のメジャーでリチャレンジです。前回、敢えて寸法を採らなかった部分、事情が変わって採寸が必要になったためです。
負けるもんか!!
長々、すみません。どたまに来たもので。
投稿: 十三クラブの勝瀬 | 2016年2月 7日 (日) 23時09分
実際に寸法を計る人がいるなんて、想定外だったのでしょう。ある意味、現役の頃より大事にされているんですね。
投稿: モハメイドペーパー | 2016年2月 8日 (月) 00時10分