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2015年11月23日 (月)

線路に水を撒く

 鉄道のカーブは規定上最もきついのが半径160m、私鉄には例外的にもっときついのがあります。箱根登山鉄道には30mという桁違いのカーブがあり、こんなところを走るとキーキーうるさいし、フランジもすぐ摩耗してしまいます。そこで摩耗防止にフランジかレールの側面に油を塗るのですが、箱根登山では車輪の踏面に回って空転する恐れがあるとして、油ではなく水を撒いています。まぁ、水でも摩擦は軽減できるし、きしり音を和らげる効果もあります。それに水だったら放っておけば乾くから、油みたいに周りを汚すこともありません。
 というわけで、箱根登山鉄道以外でもカーブで水を撒いている鉄道があるのです。

Pb134186玉電(今は東急世田谷線ですね)の下高井戸を出てすぐは、結構な急カーブだし、周りは人家が密集しています。そこでこの区間には、電車が来ると線路に水を撒く装置が備えられていたのですが、いつの間にか撤去され、一般的なレール塗油器に変わっています。
 ここは速度が低いので、車輪は外側レールに押しつけられる→カントで内側に落ちるを繰り返し、キコキコと音が出ます。高速で通過するときのキーンと連続した音とは違うのです。

P7123520ここは以前にも紹介した小田急の代々木八幡。手前の青い箱が水タンクで、赤線で囲った所に水煙が見えるでしょうか。私が高校、大学と利用していた頃にはなかったから(もう半世紀前)、設置されたのは割と最近のようです。それにしても、水の出方はしょぼいです。

Pa200918こちらは京急蒲田で国道1号を横切っていた空港線。カーブ半径は100mくらいでしょう。

Pa200932近づいてみます。新逗子行きのエアポート急行が発車していきました。

Pa200931手前の線路は油でグチャグチャ。こんな所で転んだら大変です。

Pc250799高架になった空港線と本線との合流部分。カーブ半径は地上時代とそんなに変わっていません。コンクリート道床では油が染み込まないので、水を撒いています。

Pc250801もう少し引いて全体をご覧下さい。かなり景気よく放水しています。電車は1時間に12本通過するので、レールは「人こそ知らね 乾く間もなし」です。
 こういうレール散水装置、関西でも京阪京津線の大谷付近に設置されているそうです。 

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コメント

箱根登山は車両から水ですよね! 地上から水の区間もあるのでしょうか?

京津線大谷付近にもありましたか?最後の頃に歩きましたが気が付きませんでした。

 箱根登山は車両に水タンクを装備していて、線路側からの水撒きはありません。カーブが続くのと、列車密度などから、車両に水タンクを付ける方が低コストなのでしょう。京急は乗り入れる車両までに水タンク付けたら、えらい手間になります。

 京津線は大谷付近だけではないようです。詳しくは以下をご覧下さい。

http://works-k.cocolog-nifty.com/page1/2007/08/post_7a77.html

素人考えですが・・
箱根登山は線路からあらかじめ撒くと、凍結の心配がるのでは?

 新幹線の関ヶ原あたりと違って、水撒きは列車が通るときだけです。箱根あたりなら夜中に撒かない限り、凍結の心配はないと思います。

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