JR東日本の駅そば
NRE(日本レストランエンタプライズ)という会社をご存知でしょうか。なにやらものものしい名前ですが、国鉄時代の日本食堂の流れを汲む会社なので、年輩の「鉄」ならそこそこご厄介になっているはずです。あちこちにあって便利ではあるけど、格別うまいわけではないという、あの会社です。
国鉄がJRになってから、JR東日本の管内にある駅そばは大部分がNREに吸収され、「あじさい茶屋」と名乗っています。しかし、全部がこれに統一されたわけではなく、地域性などを加味した様々なバージョンがあります。NREのホームページを見れば、どんな屋号があるのかは一目瞭然、その一部をご紹介しましょう。
まずは基本の「あじさい茶屋」。写真は中野5・6番線です。大部分がホーム上にあるので、立ち食いが基本ですが、椅子席を併用している店もあります。
「大江戸そば」。写真は市ヶ谷で、他に錦糸町、小岩、荻窪などがあります。これもホーム上で、設備、値段は「あじさい茶屋」と同じ。
「ご利益そば」。写真は亀戸で、コンコースにあるため、店内の大半が椅子席のゆったりしたレイアウトです。本八幡にもありますが、屋号としては少数派です。
「菜の花そば」。菜の花といったら千葉のイメージで、写真は西船橋。コンコース内にあり横に広いレイアウト。すべて椅子席です。稲毛、千葉にもあります。新検見川には「花見川そば」があるそうですが、まだ撮影していません。
「道中そば」。これも屋号としては少数派。写真の五反田のほか、大森にもあります。五反田はホーム上ですが、出入り口は線路側にあり、引きがないのでまともな写真は撮れません。独立した屋号の表示がないのも、この店の特徴なのか。
「田舎そば」。お馴染みも屋号の一部のようです。写真は四ッ谷で、緩行ホームの新宿寄り階段の上にあります。スペースは狭く、椅子席はありません。しかし、値段は基本の「あじさい茶屋」より1ランク高く、かき揚げそばは390円でした(あじさい茶屋は370円)。
「そば処新宿」。「そば処〇〇」というバージョンがいくつも存在します。写真の店は新宿南口、小田急との乗換え口付近にあり、そこそこの広さで、入り口と出口が分けられています。そばつゆはあっさり系というか、単純で少し物足りない感じでした。
「そば処むさしの」。写真は国分寺上りホーム。立ち食いが基本のレイアウトです。
「そば処高尾山」。名前のとおり、高尾のみの屋号です。階段下の狭いスペースで立ち食いスタイル。特に変わったメニューもありません。
「奥多摩そば」。立川の各ホームにあります。国鉄時代からある伝統的な屋号で、駅弁業者から引き継いだものです。
駅弁業者の時代から続いている定番メニュー。私が仕事で立川に通っていた頃(昭和50年代後半)から有名でした。
「清流そば」。写真は昭島で、コンコース内の細長いスペースのため、椅子席はありません。他に小作、西国立、大月などにもあります。
「いろり庵きらく」。写真は大井町。和食の「いろり庵」の系列で、他に秋葉原、御徒町、船橋、八王子、拝島など、最近増えつつあります。コンコース内などのゆったりしたスペース、椅子席が基本という高級路線で、値段も1ランク上ですが、味は特に違いを感じません。
「そばいち」。写真は神田。これも最近増殖中の高級路線で、東小金井、秋葉原にもあります。ホーム上ではないのでスペースに余裕があり、椅子席基本で配膳付きと、立ち食いそばとは一線を画しています。
「さがみ茶屋」。藤沢のJR改札口を出た所にあります。椅子席、配膳付きで、味もそこそこのレベルでした。
このほかにも、常磐線方面に「喜多そば」、神奈川県内に「濱そば」、京葉線に「湾岸そば」があるそうなので、いずれ試食してみます。
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連休に水戸へ行った時、上りホームで食べた蕎麦は結構美味かったです。
NRE系列かは不確かですが。
松本大糸線ホームや塩尻階段上の狭いところにある立喰い蕎麦屋はさすがに美味いです。
東京では品川の常盤軒が最も好きですが、NREに駆逐されつつあるようです。
ちょっと前にアップされていた天王寺うどんのことを少し書きました。
おヒマでしたらご覧ください。
投稿: シグ鉄 | 2015年6月 6日 (土) 17時09分
昔からの業者が撤退し、まぁまぁのレベルに平均化するのは、ユーザーにとってよいのか悪いのか、微妙なところです。NREは「いろり庵きらく」「そばいち」などの高級路線に力を入れているようですね。
投稿: モハメイドペーパー | 2015年6月 6日 (土) 20時18分
西国立・・・つぶれちゃいました。。
駅構内・・って言うより焼き鳥屋やコンビニの周りじゃあなぁ。。
いつも空いてたし。。
投稿: 通りすがりの・・ | 2015年6月 7日 (日) 03時06分
驚くべき調査力です。感服しました。
JR東の駅そばだけでも、こんなにあるとは知りませんでした。
投稿: 工房5丁目 | 2015年6月 7日 (日) 09時40分
西国立、確かに最新のリストには載っていませんでした。駅そばで儲かりそうな立地条件ではないですね。
これはまだ氷山の一角、大きい駅では複数の屋号が競合しています。分布図を作ってみるとおもしろそうです。
投稿: モハメイドペーパー | 2015年6月 7日 (日) 12時37分
こ、コレはスゴイデータベースですね!
気にはなりつつ、ここまで喰いまくってはおりません・・・・
どうもJR系、というだけで信用できん、というか。
まだ業者系で残る品川常盤軒、東神奈川日栄軒には末永くやってもらいたいですが
いつまでJRが許すのか・・・・
小職、関西から出てきた直後の40年ほど前、
立川あたりが拠点だったものですから奥多摩そばのおでんそばにはひっくり返りました・・・・
投稿: 立ち食い犬 | 2015年6月 9日 (火) 11時00分
これはブログのネタなんで、写真を撮った店すべてで食べたわけではありません。
40年ほど前に立川というと、私が北口の外れでくすぶっていたのとダブりそうですね。
投稿: モハメイドペーパー | 2015年6月 9日 (火) 15時10分
お疲れ様の調査力、恐れ入ります。
Cedarとしてはがんばってた零細業者を押し出したJREのやり口は最低だと思っております、だから最初は『あじさい亭』=味最低なんてアホなネーミングだったのを冷笑しておりました。
投稿: Cedar | 2015年6月13日 (土) 07時46分
経営体は同じでも、味は店によってかなり違います。ベーシックなあじさい茶屋は、値段を考えるとなかなか馬鹿にできないし、高級路線ではそば一が他より抜きん出ていると思います。
投稿: モハメイドペーパー | 2015年6月13日 (土) 12時02分