スコールカー乗車記録
先日、伊豆急をたっぷり堪能してきたところで、50年前の伊豆急を垣間見ていただきます。このところ「50年前の××」がシリーズ化していますが、これはたまたま昭和39年撮影のネガをスキャンしたストックがあるからです。
さて、時は昭和39(1964)年7月、大学1年生の私はクラブの合宿で伊東に行きました。1日目は昼頃に宿舎(仏光寺というお寺でした)に着き、夕方までは自由時間となったので、伊豆急初乗りを企てたのです。伊東駅で運賃表を見ると、かなり高い。一駅ごとにどんどん金額が上がっています。懐具合と時間を考え、伊豆高原まで乗って見ることにしました。
伊東駅を発車する熱海行き。7連で3両目にサロが入っています。開業3年目でかなりハイペースの成長ぶりです。
国鉄の車両は湘南色の111系。こちらは7連固定で4両目にサロが入っています。よく見ると、貫通扉に伊豆急の方向板を掲げています。
伊東止まりの列車が入ってきました。下田寄りから2両目にサシ191が連結されています。折り返し下田行きになるので、迷わずこれに乗りました。
折り返しの列車は「快速」です。よく見えないけど2両目がサシです。左の側線に古めかしいワムがいます。まだ伊東線は貨物営業をしていたのですね。
サシ191はスコールカーと呼ばれていました。サントリー(当時の社名は壽屋)が宣伝用に電車まるまる1両を寄贈したもので、壽屋の製品を優先的に扱うという条件付きです。その頃はウィスキーのほかにやっとサントリービール(モルツではない)が出たばかり。下戸の私はローヤルクラウンコーラ1本で伊豆高原まで粘りました。 ウェイトレスさんに頼んで私の写真も撮りましたが、これは割愛します。
伊豆高原に着きました。乗り降りはほとんどありません。交代した運転士が発車を見送っています。
ホームの伊東寄りから車庫を覗いてみました。なにやら変な車両がいます。右端はできたての東急7000系で、夏の応援に来ています。まだ営業運転には就いていないようでした。
その左はこれも東急のクハ3770形でしょうか。伊豆急色になって腰板のTKKもIKKに変わっています。実は開業前に機関車代用としてデハ3608が入線し(これは両運転台に改造)、開業後はさらにデハ1両、クハ2両も加わって、夏の多客期などに営業運転をしていたのです。
153系の準急が通過して行きます。ホームの上屋は1両分もありません。
これが駅舎。洒落た形だけど駅員の姿も見えません。本来の地名である八幡野の方がぴったりしますね。釣り宿の看板の前に止まっているのはスバル360です。
こちらは押しも押されぬ現在の駅舎。
下田寄りには旧型の3連が待機していて、しばらくすると伊東行きとしてホームに据え付けられました。私はこの先頭のデハ3608(写真の左端)に乗って伊東に戻ったのです。
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