神戸電鉄の見どころ、突っ込みどころ
だいぶ引っ張ったので、神戸電鉄はこれで最後にします。たいそうなタイトル付けましたが、わずか3日間の取材ですから、地元の人にいわせれば、「なんや、あれが抜けとるやないか」という部分があるかも知れません。
神戸電鉄のターミナルは新開地、本来の起点は湊川なんで、湊川~新開地間は神戸高速鉄道になります。それはさておき、阪神、阪急から乗り換えて神鉄のホームに向かうと、まず、このポスターが目に付きます。要するに神鉄で使えるカードはPiTaPaとICOKAの2種類だけなのです。
乗換え通路の途中にある駅そば。神戸高速の構内だから「高速そば」なんで、そばのできあがりが特別に速いわけではありません。メニューはほとんどがそばとうどんがあるのに、きつねはうどん、たぬきはそばだけです。
神鉄は湊川を出るといきなり50‰の上り勾配が続きます。ここは鵯越の手前で、湊川から3.5kmくらいの地点、標高は120mを越えています。
休止になっている菊水山を過ぎるとすぐ左側にダムが見えます。治水用に烏原川を堰き止めたもので、これにより神鉄の線路も移設されました。画面左の道路が旧線路跡です。
鈴蘭台は粟生線との分岐駅で車庫、工場もあり、神鉄の要となる所。粟生線は駅構内の踏切を過ぎるとすぐ、50‰を上って鈴蘭台西口に向かいます。画面左の引上げ線は、かつて電機とホッパ車が待機していました。
阪神の尼崎ほどではありませんが、ここにも一風変わった複合分岐器があります。ポイント2個とクロスが一体化されたもので、赤丸で囲んだ部分の左側「く」の字レールは単なるガードレールではないのです。
こちらは駅の湊川寄り。左端の線路が車庫への入出庫線で、電車は上下の本線を横切り、50‰を下って車庫に向かいます。
三田線開業時(昭和4年)に新製され、鈴蘭台車庫に入換え用として残るデ101。車籍はなく機械扱いです。
おまけは50年前の写真。昭和39年の夏、鉄道友の会阪神支部主催の関西の鉄道を巡るバスハイクに参加した時の撮影です。
鈴蘭台駅のスナップで、電車は有馬線開業時に新製されたデ1形。板台枠の台車です。右にちらっと見えているのは神中鉄道のディーゼルカーを改造したクハ151形です。
有馬温泉に泊まり、これから神鉄に乗るところ。電車は規格形のデ201形です。この頃は有馬温泉まで貨物営業をしていたのですね。
粟生線の藍那~木津間にある大カーブがおもしろそうだったので、木津から20分くらい歩きました。行ってみたら丘の上に建物があり、絵的なまとまりは今ひとつです。このあたりは藍那~木津間にある川池信号所から志染までが複線になっています。
上の画面の左にある第4種踏切。渡った先は藪が生い茂り、道がありません。
小野の一つ手前の市場。行き違いもできない小駅ですが、左に延びている側線が新車の搬入、廃車の解体に使用されます。神鉄の電車が最初と最後に必ず世話になる駅なのです。
粟生線の終点、粟生。右側の線路はJR加古川線です。9時半頃で降りたのは3人、発車時は1両に数人でした。日中の列車は1時間に1本。神鉄、JR、北条鉄道のどこが最後まで生き残れるだろうか。
有馬口は有馬線と三田線の分岐点。電車は発車した三田行き、右に曲がっている線路が有馬温泉に向かいます。ここはちょうど電車の先頭あたりにダブルスリップがあったのですが、昨年5月に脱線事故を起こして撤去され、有馬温泉までの直通運転も中止されています。
そこで現在は赤線のように配線を変更する工事が進められていて、最新の情報によれば6月28日にダイヤ改正を行い、有馬温泉直通列車も復活するそうです。
三田線は岡場~田尾寺、横山~三田以外が単線。この二郎駅付近は最もローカル的な雰囲気が残っています。あっ、駅名は「じろう」ではなく「にろう」だそうです。ここも神戸市だし、すぐ近くには山陽自動車道の神戸ジャンクションがあります。
画面の左が二郎駅。架線柱は古レールです。2箇所見えている第4種踏切は公道ではなく、右に見えている農家が左の田圃に行き来するためのものです。
最後に神鉄を乗り回すのに便利なキップを紹介します。スルッとKANSAIの神戸街めぐり1dayクーポンというやつで、本来は神戸市内の神戸高速、市営地下鉄、ポートライナーのフリーキップです。これに神鉄拡大版というのがあって、神鉄も全線がフリーになります。
お値段1680円なので、全線を乗るか、そこそこ乗り降りをすればモトは取れます。ただしこの拡大版は神鉄線内でないと買えません。新開地では売っていませんが、事情を話すと湊川で買えといって改札を通してくれます。
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理論的には落っこちないでしょうけども如何してこんな線路配置にしたのでしょうね。
更に踏切の上に分岐が掛かるとは恐ろしいです。何れにしても、工務部の線路点検と
車両部の車輪の踏面の点検管理が大変ですね。
投稿: ぬか屋 | 2014年6月12日 (木) 22時28分
関東では両方ともそば、うどんがありますが、関西では厳然と分かれているとの事です。油揚げの「きつね」は関西のもので「うどん」のネタである代わりに、揚げ玉の「たぬき」は、関東のもので「そば」のものなのだそうです。
投稿: 工房5丁目 | 2014年6月12日 (木) 23時23分
この変形ポイント、実際には左端へのルートはほとんど使われていないので、そのうち普通の片開きに取り替えられるかも知れません。踏切にかかっているから、観察するには好都合です。
関西では同じタネものでもうどんとそばで値段が違うのもあります。所変われば…なんですね。
投稿: モハメイドペーパー | 2014年6月13日 (金) 12時29分
うどん文化の地域ですから、油揚げ(けつね?=きつね)を入れたのは、「きつね」。わざわざ「きつねうどん」という必要なしということでしょう。
一方、そばに油揚げを入れたのを「たぬき」と言うのだそうです。。
揚げ玉(関西ではこんな洒落た言い方はせず「てんかす」ですが)は、お金をとるものではなく、客が好きなようにトッピングできるものとなっていましたよ。
投稿: OER3001 | 2014年6月13日 (金) 23時18分
その昔、京都で たぬきそば というのを注文したら、あんかけみたいなそばが出てきました。所変われば…ですね。
投稿: モハメイドペーパー | 2014年6月14日 (土) 22時12分
「きつねはうどん、たぬきはそばだけです」
ギャグですよね、さすがにギャグなんですよね??。
投稿: 通りすがり | 2014年7月18日 (金) 14時10分