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2014年4月14日 (月)

箱根登山鉄道3000形の報道公開

 本日(4月14日)、箱根登山鉄道で25年ぶりの新車となる3000形の報道公開が行われました。私もまだ「鉄」に係わる仕事をしているので、これを見逃すわけにはいきません。公開が行われるのは検車区のある入生田(いりうだ)。箱根湯本のひとつ手前です。
 当然、新宿から小田急で行くわけですが、新宿でちょっと途中下車して西口の金券屋を覗くと、株主優待乗車券が680円で出ていたので、迷わず2枚買いました。新宿~小田原間の正規運賃は880円だから、往復で400円浮き、ちょうど昼飯代わりの蕎麦代になります。

P4141496 入生田の駅舎はまだ昭和の面影が残っています。

P4141498 検車区は山側の小田原寄りにあります。デュアルゲージのレールは箱根湯本~入生田間に残っていて、小田原~入生田間も枕木は外側の標準軌用レールを外しただけです。

P4141385 労働組合会館の会議室でひととおりの説明を聞いてから撮影に入ります。天気予報が良い方に外れ、薄日が射してきました。しかし、狭い構内なんで、まともな形式写真は撮れません。
 パンタグラフは小田原寄りに付き、屋根上の中央はクーラー、右側が発電ブレーキ用の抵抗器。短い車体なので、屋根上、床下もぎっしりです。

P4141387 運転室から扉までは先頭展望ゾーン。側面の割り付けは左右対称ではなく、車椅子スペースのある強羅寄りの方が広くなっています。

P4141396 左が登山鉄道の社長、右はこの車両をデザインした岡部さん。

P4141399 LED表示を見やすくするため、日が陰った時に撮りました。このLEDは1/100秒より速いシャッターだと文字が途切れます。

P4141414 全体像はこれが目一杯。まともな角度で撮れるのは強羅のホームに停車している所くらいでしょうか。

P4141424 台車は基本的に2000形と同じTS-330B。もちろん基礎ブレーキは鋳鉄シューの抱合わせ式。枕バネの下にあるのは非常用のレール圧着ブレーキです。

P4141418 制御装置はVVVFインバータ制御になり、モーターとともにメーカーは東洋電機。モーターは2個並列2群接続で出力50kW。2000形の95kWに比べると小さい数値ですが、750V区間もフル出力で運転できます(2000形は電圧が半分になるので、出力もほぼ半分となる)。
 ブレーキは回生・発電併用で、変電所に回生電力を吸収する装置は設けていないそうです。

P4141449 スカートの内側には水タンクがあります。給水口がスカートの陰になって、在来車より作業がやりにくそうです。

P4141494 台車の中も覗いてみました。右側がギアケース、真ん中へんに見えているゴムのパッキンみたいなのがギアケース吊りです。

P4141453 運転台はほぼ2000形と同じレイアウト。左がマスコンで、手前に引いて力行3段、前に押して抑速3段、右がブレーキで、常用7段+非常になっています。

P4141462 車内は扉間に3組ずつのボックス式クロスシートを備えています。照明は電球色のLED。

P4141467_2 シートピッチはかなり広く、固定テーブル付き。

P4141464 戸袋窓部分には跳ね上げ式のシートがあり、混雑時はロックされます。

P4141476 座席は1脚で支持しています。荷物棚を設けていないので、荷物は座席の下に置くことになります。

P4141474_2 窓は下降式で開閉できます。熱線吸収ガラスではなく、カーテンもありませんが、線路条件から長時間にわたって日が当たることはなく、展望を第一に考えて省略したということでした。

P4141470_3 前方の展望も抜群です。運転室仕切りには横引きの遮光カーテンがありますが、極力使わないようにするそうです。
 この3000形は8月にもう1両竣工し、11月1日から営業運転に入る予定。両運転台なので、2000形と併結される可能性もあり。

P4141427 建屋の中ではモハ109が検査中でした。3000形が増備されてもモハ1形の廃車は出ないそうなので、吊掛式の103+107もまだ安泰です。  

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コメント

なんか、ぬぼーっとした雰囲気の面構えですね。
神戸の川重からは、たった1輌の甲種輸送だったそうですが、トレーラー陸送だと下ろせそうな場所がないからでしょうかね?

正面、側面の窓とも思いっきり大きく、いかにも観光電車なんですけど、箱根の山にホントにマッチするんでしょうか?私も古い人間になってしまいました。モハ109を見ると落ち着きます。

 入生田の構内は狭いし、沿線も線路に乗せられそうな所はありません。構内で台車を付け替える時にも、定期列車を何本か運休にしたそうです。

 そんなに突拍子もないデザインではないし、もう1人の有名なデザイナーのような押しつけがましい感じはありません。まぁ、モハ1形との併結はミスマッチでしょうが、ブレーキが違うのでその可能性はありません。

搬入時、見に行こうか迷っていましたが、深夜労働の割に収穫できる保証も無く諦めて寝ました(笑)。 松田でのEF65から小田急1000形がバトンタッチして牽引、さらに入生田手前の風祭で、1000形を後方に連結しなおして入生田に押し上げ、仮台車抜きと正規台車入れをジャッキアップしてするなど、本当は見たかった!
そう、Mデザイナーのは大嫌いだけど、これは製作意欲湧きます。床板の取り付けにまず悩みますが。

 模型化するとしたら、室内は絶対に手を抜けませんね。本物は混雑時の対応、居住性と座席定員確保を両立させるため、かなり苦労しているようです。
 ピーク時を避けて、ゆったりと乗って見たいです。

モハメイドペーパー殿、
ワタシも新しい電車は苦手ですが、
コレはかっこいい!
・・・と思ったらやっぱり岡部さんなんですね。
優れた建築家の発想は柔軟で
結果、モハメイドペーパー殿がおっしゃるとおり押しつけがましさがないように感じます。

 この電車、片運だったらもう少しゆったりするのでしょうが、両運にしたのはピーク時に2連の2000形と併結して3連にするという意図かと思います。

 目玉の側窓は大型なだけでなく、開閉窓でありながら窓枠が目立たないのも特徴的ですね。周りを黒塗装している他、側面との段差も極力抑えているように見えます。単板(?)で大型ガラスだと結露が心配ですが、窓を開ければ大丈夫ということでしょうか。
 VSEやMSE同様、座席は見るからに固そうですが、特急と違い、乗車時間が短いので何とかなりそうですね。
岡部氏デザインの車両はコストかけている分、内外装のデザインに関してはさすがという印象です。
肝心の座席はイマイチなんですが・・・
2両のみの少数製造な上開発費がかさんだのか、2両8億円と凄まじく高価な車両ですが、それに見合ったクオリティに感じられます。

 座席はそんなに固くはなく、適度な安定感があります。ほとんどできあいのパーツが使えないんで、1両4億のお値段も致し方ないところでしょう。

座席はそこまで固くないということですか。
MSEの座席のようなもの想像していたので、ほっとしました。
VSEやMSEの座席も快適な座面に交換してもらいたいところですが・・・
確かに観光向け登山電車という特殊性ゆえに、内装にしても足回りにしても特注品が多そうですね。

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